「映像」平和学習会短信(香芝市2019.2.24)                        「想画(そうが)と綴り方~戦争が奪った子どもたちの心~」               第33回民教協スペシャル(YBC山形放送制作)  2019.2.9.テレビ朝日放送

【番組概要】

 山形県東根市長瀞(ながとろ)小学校。

この学校には、木箱の中に保管されている「想画(そうが)」925枚がある。

詩や綴り方文集もある。

昭和5年学校に赴任した国分一太郎さんたちが「絵と生活綴り方」の教育を実践し、もたらされた

結実である。昭和初期の農村での暮らしを、児童がそのまま絵と作文、詩に描いた。

当時の児童は現在90歳を越えて元気に、描いた絵のことを話されている。

 「夜しごと」「小石運び」「田植え」「稲刈り」など冷害の困窮の中、働いて稼いで食わねばならない、生きていくことを、子どもたちは見て、仕事して、学んだ。

学校で絵や詩に表現した。先生はできる子もできない子も差別しなかった。

上半身裸の児童より背の高い雪だるまを、何度も竹やりで突き刺す訓練の映像がでた。

戦争が奪った子どもたちの心。

詩では「お月様・上田繁治」「夕方・菊池周介」「今・塩野勝巳」などが紹介された。
 昭和9年東北地方大凶作は、娘の身売り、欠食児童や自殺など、農民は追いつめられた

くやしさ、かなしみがあった。

この山形の「生活綴り方の文化・教育運動」は島根、三重、北海道にも広がっていった。

国家総動員法成立。綴り方運動関連で治安維持法違反で100人以上検挙された。

国分一太郎は治安維持法違反で、「共産主義者のよう」だとして、特高が非国民扱いし、容赦の

ない取り調べを行い免職。この特高の経歴も紹介された

昭和16年太平洋戦争に突入、レコードコンサート会場の参会者を、「反戦的、非協力」の非国民

として旭川警察が検挙。
 戦後の昭和26年無着成恭さんが「やまびこ学校」運動をはじめる。戦後民主教育の金字塔で

ある。

 

【参加者(20人超)の視聴後の感想】
 この映像をみて「リアル。すばらしい」、「治安維持法のもとで、たたかった人がたくさんいたんや」「よくぞ1000点以上の絵や詩、文章が木箱にしまわれて残った。守られた」,「あの当時図画に使うクレヨンなど使えた、あったんだなあと思った」、「特高のやり方そのものが戦争推進のエネルギーになっていく。うむをいわせず、とっつかまえてしまう」、「共産主義運動だと罪をかぶせられて、取りこまれてしまう」、「弾圧下をくぐりぬけた木箱が残っていた」、「いま、ねつ造、不正のある中で、学校の先生の役割を改めて考える」、「戦後軍隊帰りの教師もいたが、自分の先生は『信じるところをまっすぐ進め』と励ましてくれた、それを今も忘れない。」      ときめき屋正平