メディアを考える大阪集会(第4回)講演 「テレビはなぜ権力に弱いのか」

 

10月28日(日)、「テレビはなぜ権力に弱いのか」をテーマに、メディア総研事務局長・放送レポート編集長の岩崎貞明さんが大阪市内で講演されました。

会場のたかつガーデン大会議室には85名が参加、講演後も活発な質疑が続きました。講演レジュメは以下のファイルをダウンロードしてご覧ください。

ダウンロード
テレビはなぜ権力に弱いのか (PP).pdf
PDFファイル 2.7 MB

 

これでいいのか日本のメディア(4)  テレビはなぜ権力に弱いのか

  講演リポート 楠本宏 (放送を語る会・大阪会員)

 

講演者の岩崎氏は、TV朝日のニュース番組を担当し、労組専従も担い、TV朝日に15年間在職。退職後17年で現在メディア総合研究所事務局長・雑誌「放送レポート」編集長と自己紹介され講演されました。
 講演全体の感想として、パワーポイントのコピーが配布され系統的な説明で、一般の聴講者にも解りやすい講演であったと思います。質疑応答は概ね講演に沿ったものが多く、気持ちよく講演を聴き終えることができました。
 講演内容は、放送法の規制撤廃のねらいと問題点、政府から放送局の停波に言及(圧力)、安倍内閣になり放送番組に行政指導が急増、政府の直接免許制は先進国では日本だけ(独立規制機関は世界の常識)、記者クラブのメリット・デメリット、など多岐にわたりお話がありました。
 私はマスコミ職場での労働者の戦いなど具体的な内容を、また政府の動きで表に出ていない内部情報など、もう一歩踏み込んだ内容が欲しいと思いました。
 私が講演後に心に残っている事について書きます。共同通信のスクープとなった「放送制度改革案」の文章が突然出てきた事について、この文章は官邸筋の人が作ったもので、放送行政については素人の人が作ったものだろうとの説明がありました。放送法4条・マスメディア集中排除・外資規制の撤廃など、今までの放送行政をすべてひっくり返す内容にビックリし、放送を語る会の中で意見交換した事を思い出しながら聞きました。
 安倍首相はインターネット放送のAbemaTVに出演し(201710月)、自説を1時間にわたり自由に話した。TV放送でも同様に話が出来るよう放送法の規制を撤廃する事を考えたと思うが、放送制度改革案の中で、規制撤廃が実現した場合に民放は不要になると書かれており、民放・新聞各社から反発がでて、規制撤廃についてはトーンダウンした経緯があります。
 私は講演を聞いて放送法の改悪について放送法4条の撤廃の動きはストップしたと感じましたが、他の規制を外す事は引き続き動きを注視する必要があると思いました。
 総務省から放送に係る行政処分・行政指導について、これまでに行政処分を受けた局は無いが、行政処分を受けた局は従わなければならず、局側は裁判をする事になるだろう。それは政府がマスコミに圧力をかけたことで反発が出て都合が悪い。だから従う必要の無い行政指導を行っているとの説明があり、なるほどと納得できた。行政指導は安倍1次内閣の時に急に増えている。私は安倍2次内閣以降どうかと思いネットで色々検索して探しましたが資料は見つかりませんでした、講演の資料は、総務省2010年6月のものですが、その後は出していないようです。

 

【会場からの質問に対して】
質問:視聴者としてできることは何かありますか
答え:サンデーモーニングについて、番組が始まると電話・FAX・メールなどで番組やめろと大量の苦情が来るが、番組が終わらないのは視聴率が高いからである。最近頑張って下さいという内容も増えているとの話があり、放送を語る会、各地のNHK問題で良い番組には良かった、悪い番組に悪かったとTV局に言おうという運動が実ってきていると思った。

 質問:スポンサーから圧力はあるのか
答え:電力会社からの圧力について、電力自由化の前、電力会社は競争相手が無くコマーシャルを出す必要が無かったが、原子力発電所のクリーン・安全などコマーシャルを出していました。原子力発電に反対するような番組を出した場合はコマーシャルを止めると圧力があり、反原発の放送がやりにくかったとの説明に納得。NHKに対しては「核戦争後の地球」に対して圧力がかかっていた。

   質問:放送法4条について
    
答え:放送法4条撤廃派だったが最近は悩ましい状況です。選挙報道に対して、民放はできるだけ 放送時間が同じになるようにしている。NHKは議席に応じて時間配分をしている。新聞も選挙の時

 に公平な記事になるように気を使っているとの説明に、政府・自民党からの圧力が新聞の記事にまで

 来ているのかと思いました。

 

「放送を語る会・大阪」も構成団体である「メディアを考える大阪集会実行委員会」の主催で、「これでいいのか日本のメディア (4)」として、「テレビはなぜ権力に弱いのか」と題した講演会を開催いたします。

今回は「テレビはなぜ権力に弱いのか」と題して、メデイア総合研究所事務局長、雑誌『放送レポート』の編集長で、元民放労連委員長の岩崎貞明氏に講演していただきます。講演の後、参加の皆さんとの質疑討論も予定しています。 

ぜひ、ご期待いただき、多くの皆様の参加をいだきますようご案内いたします。

  

・講演テーマ 「テレビはなぜ権力に弱いのか」

・講師 岩崎貞明氏(メデイア総研事務局長、雑誌『放送レポート』の編集長)

・日時:10月28日(日) 14:00~16:30 

・場所:たかつガーデン(大阪府教育会館)8F 

  近鉄「上本町駅」から徒歩3分、地下鉄 谷町線・千日前線 「谷町9丁目駅」から徒歩7分

・参加費(資料代含む)1000

 

ダウンロード
講演「テレビはなぜ権力に弱いのか」案内ポスター
メディアを考える大阪集会(第4回).pdf
PDFファイル 724.6 KB

これまでの「これでいいのか日本のメディア」シリーズ 

1「真実の報道目指し闘うメディアへの期待」2017年48

  (講師・日本ジャーナリスト会議共同代表の隅井孝雄氏)

2「なぜ日刊ゲンダイは権力批判を続けられるのか」2017年107

  (講師・元日刊ゲンダイ編集局副部長の橋詰雅博氏)

3「今、NHKに何を求めるか」2018年414

  (講師・元NHKディレクターの戸崎賢二氏)